天使の尖ったしっぽ



*ルミさんのキリ番リクエストの 『波音に誘われて』『波の気持ち』
『天使のささやかな贈り物』『ぬくもりに包まれて』
『ぬくもりから目覚めた朝は』の続編です。(^^)


「暑い・・・」
久しぶりに、暑過ぎて目が覚めた。
布団部屋に泊まるというのも貴重な経験だったが、
クーラーのない部屋で過ごすというのも何時以来だろう。
この辺りはやはり海が近いせいか、湿気を含んだ重めの空気が
じっとりと体にまとわりついてくる。

せっかく親切な中居さんが、扇風機を用意してくれたのに
使用しなかったのがまずかった。
せっかくだから今からでも使ってみようとスイッチを入れると、
眠気も吹き飛ぶ涼しい風。

「あ゛ぁ〜すす゛じい゛〜」
ついつい扇風機を抱え込みながら、風を堪能する。
これは、これでかなり涼しい。
文明の力だな、うん。

眠気もなくなり頭がクリアになってくると、
まず頭に浮かんできたのは昨日の出来事だ。

リョウのヤツ、おそらく悩みに悩んでいるうちに
気絶するというスィーパーにはあるまじき
大失態をやらかしたんだろう。

だがせっかくのプレゼントをふいにされ、
風呂場からあのデカい図体を運び出し、
浴衣に着替えさせた俺の身にもなってみろ。
迷惑この上ない。
俺には男を着替えさせる趣味はない!
しかも、断りたくてもあのウルウルした瞳で
カオリから懇願されたら断れやしない。

フツフツと昨日の不満が湧き出してきた所で、
俺の天使になりきれない部分がとある事を囁きだした。

・・・

ふむ、それも面白いかもしれない。
思い立ったら吉日。
俺は身だしなみを整え、出発の準備を手早く整えた。

先ほどから、リョウの入ってくるなよオーラ(いや殺気か?)が
こちらまで伝わってくる。

ああ行かないから安心しろ。俺は、ね。

布団部屋を提供してくれた親切な中居さんに丁重にお礼を言い、
もう一つだけお願いをすると、俺は旅館を後にした。
ああ、もちろん出発前に昨日抜いたクーパーのネジは戻しておいた。

え?中居さんに何をお願いしたかって?

多分、君が考えてる事と殆ど変わらないよ。
『友人が偶然泊まっていてチェックアウトより早く出発したがって
いたから、襖越しに声を掛けてやってくれ』ってね。

カオリの事を考慮して、あくまで外から声かけるようによく言っておいた。
俺はいつでもカオリには優しいのさ。

さて、ホトボリが冷めるまでカズエとどこか旅行にでも行こうかな。
そこでミスユカへのレポートの清書も書き上げなくてはいけないしね。

では、身の危険が迫っているので、これにて失礼。See You!



FIN


鞭も、用意してみました(爆)
はてさて、想いが遂げられたかは
神のみぞ知るということでv


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