いつも楽しく通わせて頂いているしてはんぎゃらりぃのリヤ様と、
コラボさせて頂きましたvv
イラストはリヤ様、駄文は私です(*^^*)
駄文は読み飛ばしてもよし!(爆)
イラストをお楽しみ下さいませ♪
リヤ様、この度は素敵なイラストをつけて下さって、ありがとうございましたvv

XXXに軽々しく手を出すべからず


「冷た〜い!!」
リビングで愛読書を眺めながら
くつろいでいた俺の耳に、
勢い良くアパートの玄関が開けられ、
駆け込んできた香の声が届く。

リビングの窓の外に視線を向ければ、
どんよりと空を覆っていた灰色の雲から
大量の雨粒。
どうやら急に降り出したらしい。

勢いよく階段を駆け上がり、
リビングの扉を開け放った香は
予想に違わず、ずぶ濡れだ。

「降られちゃった」
そう言って舌を出す香。
俺は、直視できなかった。

誰にも、見られてねぇだろうな?!
との言葉が喉まで出掛かったが、
かろうじて押しとどめる。

服が濡れると透けるって事、気づいてんのか、こいつ。
いくら秋めいてきて服が厚手になったとはいえ、
まだまだ薄着だ。

「・・・さっさと風呂入れ。風邪引くぞ」
香をなるべく見ないよう、手に持っていた雑誌に
目を向ける。

「うん、そうする・・・っくしゅん」
「なんだ?風邪ひいたんじゃねぇか?」
早速くしゃみをする香に、ソファから立ち上がって
思わず額に手を伸ばしてしまった。

「ま、大丈夫そうだな。」
「////・・・うん」
俺の行動に、ビックリしたんだろう。
香が、赤くなって固まっている。
俺自身、あまりに無意識に動いちまって、
香の額に伸ばした手の戻し場所に困った。

その時、俺の頭によぎったのは、
昔俺の前で繰り広げられた槇村と香の遣り取り。


『くしゅんっ!』
『香、風邪か?』
『ん〜、この間薄着で出かけちゃったのが
 いけなかったのかなぁ?』
『どれ』
 コツン
『・・・まぁ、大丈夫そうだな』
『もぉー兄貴、あたしもう子供じゃないんだから、
 そういう測り方やめてよね!』

 
おでこで妹の熱を測る槇村の姿に、
全くなんてシスコンなんだとあの時は
苦笑しながら眺めたもんだ。

それが、どうだ。
今思い出した際に心をよぎったのは、
ちょっとした対抗心。
そして・・・ちょっとした悪戯心。


「・・・わりぃ、お前の場合、熱はこっちで測るんだっけか?」
「え?」
視線を合わせて香の瞳を覗き込みながら、
その額に軽く己の額を合わせる。

「やっぱ、熱はなさそうだなぁ」
「!!!」
ニヤリと笑いかけると、ボンッと香の顔は沸騰した。
「ほら、さっさと風呂入れ」
「な、な、な!?☆%&×◇ /////」


自力で動けそうにない香を早々に脱衣所へ放り込み、
俺は廊下にしゃがみこんで溜息をついた。

失敗した。
香をちょっとからかってやろうとやったっつうのに、
ミイラ取りがミイラになった気分だ。

熱測るだけでなく唇に口付けしたいなどと
思っちまったなんて・・・誰にも言えたもんじゃねぇ。
槇村に知られたら・・・ブルブルブル考えたくもねぇ!!

俺は測った熱をもらっちまったように
熱くなった頭を振りながら、とっとと外へと逃げ出した。


ちょうど、冴羽アパートの廊下で取り乱している
リョウを観察している者が一人。
毎度おなじみ、向かいの自称敏腕新聞記者がニヤニヤと
その様子をタイピングしていたとか。

教訓:思いつきに軽々しく手を出すべからず。

イラスト上にマウスポインタを置いたり、外したりみて下さいませvv


FIN

リヤ様、本当にこの度はありがとうございました♪

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