俺はミックエンジェル。敏腕新聞記者だ。
日課的に向かいのアパートのレポートを書いている。
それは誰も知らない。もちろん最愛のカズエでさえも、だ。
それなのに、それを知っているかのように
向かいのアパートでの出来事をレポートしてまとめて
欲しいとの依頼が入ってきた。

相手は、学生小説家の北野ユカ。
リアリティを求める彼女は、どうやら書く小説に
必ず実在のモデルを必要とするようで、
そのターゲットとしてシティハンターが選ばれたようである。

なぜ一介の小説家がシティーハンターの存在を
知っているのか少々気になった為調べさせてもらった所、
彼女は以前リョウ達の依頼人になったことがあり、しかも
あのサエコとレイカの妹だという事がわかった。

シティハンターを狙っているわけではないと判明した所で、
さすがに逐一二人の生活をレポートするわけにもいかない為
どんな切り口のレポートが必要かとリサーチする為に
ミス ユカと実際に会う事に。
会った途端、ミス ユカは『二人の甘い関係を是非!』と握りこぶし
のまま力説しだした。

『やっぱりハードボイルドに、パートナーとの甘い関係を入れた
ほうが読者にはウケがいいと思うんです!!なのに、冴羽さんの
所に盗聴器仕掛けてもいつも喧嘩してる声しかとれないし、
それでプロの新聞記者の方なら正しい情報を得ることができる
かと思って』

ハァ。
俺は心の中でため息をついた。
その力説は熱く、ミス ユカの作品へかける熱い熱意は伝わってきた。
だが、新聞記者のことを探偵かなにかと勘違いしてるような…
しかも、元初恋の君とあのリョウの甘い時間をレポートしろとは、
気付いていないとはいえまた酷なことを俺にさせる。
だが、昔から金の折り合いがつけば恋人でも殺すといわれる
ほど、仕事には私情を挟まないのが俺のスタイルだ。
今回の依頼はベストセラー作家の依頼で、やっぱりギャラも
この手の依頼としては破格の値段だ。
しかも、その仕事は趣味もかねた向かいのアパートのレポート
を書く事。
悪いな、リョウ。この依頼受ける事にする。

俺はにっこりとミス ユカと契約の握手を交わし、具体的な依頼の
内容を詰めるべく話を進めた。


<<<言い訳>>>
すみません、ちょっと唯香とミックを会わせてみたかっただけです。
前にレポート書かせた時に、ちょっと唯香と会ったら気が会うだろう
なぁと(^^;)
駄文に最後までお付き合いいただいた方、ありがとうございますm(__)m
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