ターゲット




あたしは野上唯香。
北野ユカのペンネームで
学生小説家、やってます。

リアリティーを求めるあたしは、
小説を書く時に主人公のモデルとなる
人の事は、徹底的に取材するのが
あたしの執筆スタイル。

あたしには、今いつか小説に登場させたい
人物がいるの。

その人は、最初あたしの興味を満たす為に
存在しているのではないかと思うくらい、
ポジションも、職業も理想的だった。

だから、あたしは迷わず依頼した。
知りたい事は、たくさんあったし
それがベストだと思ったから。

最初は、いろいろな収穫があったわ。
でも、時々あたしの期待は裏切られた。
そんな時はクライアントとして、
もちろんはっきり言わせてもらったわ。
あたし、歯に衣着せられない性格だし。

でも、そのうち彼がある特定の人物に対して
特別な感情を抱いている事に気がついたの。
しかも、彼の過去も、すごく魅力的。

それに気がついた時、あたしの頭の中に
新しいストーリーが組み立てられ始めた。


彼は過去の仕事で受けた傷により
仕事を変えざるを得なかった過去を持つ。
足は洗っても、今もなおその当時の
仕事の影響で美しい恋人を危険にさらしてしまう
事もしばしば。
その事に苦悩しながら、初恋の相手に、
今なお断ち切れない淡い気持ちをも
抱きつづける新聞記者のお話。


ねっ、いいでしょ♪
あ、でも彼の話を書くのはずっと先。
彼に依頼している香さんと冴羽さんの
お話ももちろん書きたいから。

今彼は、大切なあたしの情報提供者。
そして、その後は小説の大切な主人公。

だから、これからもレポートを頼み続けるの。
しばらくは、ね。


FIN
いや、ミックの事を知ってゆくにつれ、
唯香ちゃんがほっとくわけないよなぁ
とか思ったら、書きたくなって(^^;)>
お粗末様でした<(__)>


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