光ものには気をつけろ!






「今日も暑いわねぇ・・・」
そう言いながらリビングに入ってきた香を何気なく
見て、俺は飲んでいたコーヒーを噴出しそうになった。
さっきまでは確かに普通のニットと見慣れたミニスカート
だったはず。しかし、今の香は、上をキャミソールへと
切り替えていたのだ。
今までだってキャミソールだった事だってあったのだが、
今日はカウンターだった。心の準備が。。。
って俺は乙女かっ!!と自分につっこみをいれつつ
平静を装いながら香の動きを追う。
香が向かった先はベランダ。腕に抱えた洗濯カゴからも
何をしに行ったのか一目瞭然。
『そのカッコのまま外に出るのか・・・』
正直あまりおもしろくない。
その時、俺の目の端に光の反射が見えた。
「香っ!!」
「えっ?!え?!」
俺は香の腕を引っ張り、リビングを突っ切り窓からの
死角になる所まで避難する。ベランダのさらに
先の気配を探る。
「リョウ・・・狙撃?」
緊張した面持ちの香が見上げてくる。
「ま、そんなもんだ。香、洗濯は後にした方がいいな」
「わかったわ・・・じゃあキッチンの方を片付けてくる。外に出て良くなったら
教えてね」
「ああ。わかった」

ペタペタペタ・・・


スリッパがキッチンへと向かった事を確認すると、
俺は大きなため息をついた。
『何とか外に出ることは阻止できたな』
そして、ベランダへと大股で向かうと、光の反射先をにらむ。
反射元は向かいのビル。そして光源の横には金髪のあの男。
『ミックのやろ〜!』
俺の睨みに少々汗をかきながらひらひらとこちらに手を振ってきたが、
俺はそれを再度睨みつけ、勢いよくカーテンを閉めた。


「あちゃー、せっかくの香の今年初のキャミ姿を写真におさめようと思ったんだがなぁ。
リョウがいたのがまずかったなぁ。それにしても、あいつの独占欲といったら・・・
くくく」
元パートナーの変わりようを笑っていると、隣の一眼レフが音を
立てて倒れた。
見事にレンズを割られている。
「あ〜(泣)これ高いんだぞ!リョウの奴覚えてろよ〜いつかベストショット撮って
やる〜!!」
ミックが香の姿を写真に納められるのはいつのことになるやら・・・


fin

焼きもちやくリョウが書きたかったので(^^;)ミックが香に夜這いするって
いう時のリョウの手の震えているシーンとかお気に入りです。


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